ナヴァロの経済的無知の根は深い。
2020年のReason誌の記事で詳述したように、ナヴァロは左翼的な政治キャリアが失敗に終わった後に、トランプ政権の最初の任期で最も力を持つ人物の一人となった。長年カリフォルニア州の政治評論家であるジョー・マシューズは彼を「サンディエゴのバーニー・サンダース」と呼んでいる。
この類似性は、現在の状況を多くの点で説明している。サンダースは、関税を長年支持し、自由貿易に反対し、消費者は市場での多様性や選択肢を必要としないと考える人物である。サンダースがアメリカの貿易政策を担当した場合、ナヴァロと何かが違っただろうか?
ナヴァロは選挙に負けたり、彼の立場を支持するために架空の経済学者をでっちあげたりするだけでなく、反成長的な地域コミュニティ組織を設立し、カリフォルニア州に今も害を与えている住宅建設規制のいくつかを固定化する手助けをしている。
確かに、そんな人物をに経済の大部分を任せるべきだとは思えない。
おそらく、トランプ政権にナヴァロを招き入れたのはジャレッド・クシュナーだろう。トランプの娘婿であるクシュナーは、選挙運動中にトランプが中国についてもっと具体的に話したいと思ったとき、ナヴァロをチームに引き入れたと言われている。
Vanity Fair誌のサラ・エリソンは2017年に、トランプがクシュナーに自分の見解の要約を渡し、調査を依頼したと報じている。クシュナーはネットで検索し、ナヴァロの本の一冊を見つけたのだ。
ナヴァロは現在、MAGA(Make America Great Again)の一員であるかもしれないが、その本質は社会主義者だ。
COVID-19パンデミック中、彼は「連邦政府の力が民間企業の力と融合することの美しさ」について詩的に語った。アメリカの貿易政策に対するナヴァロのビジョンは、ウラジーミル・レーニンが誇りに思うような自給自足経済のようなものだ。