日本の著作権法20条は同一性保持権について「著作者は、その著作物(・・・)の同一性を保持する権利を有し、その意に反してこれらの変更、切除その他の改変を受けないものとする」と規定する。

ネット上には上記ホワイトハウスの投稿も含め、宮崎監督の意に反すると思われる改変も散見されるが、同一性保持権による保護も難しいとの分析である。

解決策は?

解決策として、チャン氏はまずVARAの拡大を提案する。

AIに基づくあらゆる法的論評と同様に、これらの疑問への答えは不明確であり、徹底的な検討が急務です。著作権法の核心は、著作者を保護することで創造性を促進しつつ、公衆が意義のある創作物にアクセスできるようにすることです。まず、VARA(著作権侵害防止法)は、より幅広い芸術作品を保護するために大幅に拡大することができ、おそらく拡大すべきです。私たちが暮らすデジタル世界では、公衆がそれらの作品に価値を認めているにもかかわらず、最も大切にされている芸術作品の中には、VARAの適用範囲外となっているものが少なくありません。

続いて、商標法の希釈化防止策の著作権法への導入を提案する。

あるいは、将来の著作権法は商標法の原則を取り入れ、著作権を侵害する創作物が元のアーティストの作品の価値と認識性を「薄める」場合に、その作品を保護するという考え方もあるかもしれません。そして、将来の訴訟では、芸術作品が歪められ、切断され、または改変されることの意味について、より広範な定義を推進するような議論が展開されるべきです。

米国商標希釈化防止法は、有名な商標について、他人が様々な商品やサービスに使用することにより、その商標としての機能が弱められないよう保護している。日本でも不正競争防止法で保護している。こうした原則を著作権法にも取り入れる提案である。

インディアン・タイムズ(3月30日)は、スタジオジブリ発と称する偽の警告文が、オンラインで急速に広まっていると報じた。警告文は、この種のアプリは著作権侵害となり、直ちに停止しない限り法的措置を取るとしているが、スタジオジブリは NHK の取材に対し、こうした警告文は出していないとしている。