読売新聞オンライン(4月2日)は「現在の利用者は1週間あたり約5億人で、23年11月時点の約1億人から急増した。24年10月にAI検索機能を追加し、25年3月には高度な画像生成機能を導入。こうしたサービス面の拡充が利用者の増加につながっている」と報じた。
このように今回の画像生成機能拡充はチャットGPTにとって間違いなく朗報だが、スタジオジブリにとってはまだ未知数。今後のジブリ作品の売り上げ増につながるかどうかにかかっているからである。
ジブリの著作権を侵害しないのか?
この点については4月16日の衆議院内閣委員会で、今井雅人議員(立憲民主党)の質問に対して、中原裕彦文部科学戦略官が文科省の見解を示した(ヤフーニュース、4月17日)。
今井氏は「いわゆるジブリフィケーション、ジブリ風にするというのが最近はやっている。著作権に当たるのではとの議論がある。現在の解釈として、どこまでが適法か」と尋ねた。
中原氏は「著作権法は創作的な表現に至らない作風やアイデアを保護するものではない」と述べ、「AIで生成されたコンテンツに、既存の著作物との類似性や依拠性が認められれば、著作権侵害となり得る」と語った。
流行の「ジブリ風」画像生成 文科省の見解「作風の類似のみなら著作権侵害に当たらない」
著作権法は著作物について、「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう」と定義している(第2条1項1号)。このように著作権法が保護するのは、「創作的表現」であって「アイデア」ではない、このため、「作風」が「アイデア」である場合、そのような「作風」が共通したとしても、著作権侵害とはならない。
既存の著作物との類似性は類似しているかどうかだが、依拠性は既存の著作物に依拠したかどうか、言い換えると真似たかどうかで、依拠せずに偶然同じような作品ができても著作権侵害にはならない。これは生成AIの著作物にかぎらず著作物一般について言えることである。