図3(厚生労働省)
だから消費税がなくなると、社会保障に使われる公費に4割ぐらい穴があくので、社会保険料を上げるしかありません。社会保険料は今でも給与所得の約30%で、消費税よりはるかに重い負担です。これは超高齢化でふえるお年寄りの生活費を少なくなってゆく若い世代が負担する不公平な税で、60歳以上とゼロ歳児の生涯所得の差は1億円もあります。
Q. 消費税は社会保障目的税なんですか?消費税の使い道は、法律で社会保障に限定されていますが、一般会計の財源なので、特別会計のように収支の独立した目的税ではありません。
大蔵省は本当は使い道を限定したくなかったのですが、増税するとき「社会保障の財源にする」というと政治的に通りやすいので、そうしただけです。一般財源に色はついてないので、目的税かどうかは大した問題ではありません。
Q. 消費税は法人税を下げるためにできたんですか?日本で消費税ができたのは1989年で、それまでに何度も大型間接税をつくろうとして挫折したあとでした。大蔵省は、不公平で税金を集めるコストのかかる所得税から、とりはぐれのない消費税に変えようとしたのです。また法人税率は世界的に40%台から20%台に下がり、日本も下げないと企業が法人税の安い国に逃げていくので、下げたのは当然です。
Q. 消費税率を上げたら税収が減るというのは本当ですか?うそです。図4のように1997年に消費税率を3%から5%に上げたときも、2014年に5%から8%に上げたときも、2019年に8%から10%に上げたときも、消費税収は増えました。所得税や法人税の税収が減ったのは景気が悪くなったからで、図4でもわかるように、ほとんど消費増税と関係ありません。
図4(財務省)
毎日お店で払うので、だれでも負担しているとわかる一方、それが社会保険料という「隠れた税」の赤字を埋めていることがわからないためでしょう。消費税が不公平だとか逆進的だとかいう話も、所得税や法人税が穴だらけで、社会保険料が老人福祉の負担を若者に押しつける不公平な税だと知らない人が、政治家に踊らされているだけだと思います。
Q. インボイスって何ですか?