カカポは1万年もの間、島に隔離された状態で近親交配を進めており、1995年には60羽まで激減。

しかし現在は200羽を超えるほど回復しています。

研究主任のダセックス氏は「近親交配は長期にわたって高度に推し進められると、種の繁栄にとって有益に働く可能性がある」と述べました。

トナカイもカカポも近親交配で訪れる一番の峠を越えたと言えるのかもしれません。

ゴリラに増えてきた顔の非対称化は近親相姦が原因だった

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参考文献

These reindeer survived, isolated, for 7,000 years, but will they survive climate change?
https://phys.org/news/2023-09-reindeer-survived-isolated-years-survive.html

Inbreeding can be beneficial in the long run
https://www.eurekalert.org/news-releases/1002722

近親交配はよいこと?進化の法則をめぐるジレンマ
https://gendai.media/articles/-/86681

元論文

Adaptation to the High-Arctic island environment despite long-term reduced genetic variation in Svalbard reindeer
https://www.cell.com/iscience/fulltext/S2589-0042(23)01888-6

ライター

大石航樹: 愛媛県生まれ。大学で福岡に移り、大学院ではフランス哲学を学びました。 他に、生物学や歴史学が好きで、本サイトでは主に、動植物や歴史・考古学系の記事を担当しています。 趣味は映画鑑賞で、月に30〜40本観ることも。

編集者

ナゾロジー 編集部