宇宙の謎に迫る転換点となるか?

 遠い惑星の大気組成を調べるために、天文学者たちは「トランジット法」という手法を用いる。これは、惑星が主星の前を横切る際に、惑星の大気を通過してきた星の光を分析する方法だ。大気中の分子は特定の波長の光を吸収するため、その吸収パターン(スペクトル)を調べることで、大気に含まれるガスの種類を特定できる。

 実は昨年、JWSTはK2-18bでメタンと二酸化炭素を発見した際に、「何か他のことが起こっている」弱い兆候も捉えていた。「前回見たシグナルがDMSによるものか確信は持てませんでしたが、その兆候だけでも、別の観測装置を使ってJWSTで再調査するには十分なほどエキサイティングでした」とマドゥスダン教授は説明する。

124光年先の海洋惑星に生命の兆候?惑星K2-18bで見つかった“生命活動の痕跡”
(画像=Image by Cosmic Level from Pixabay、『TOCANA』より 引用)

以前の観測では近赤外線の装置が使われたが、今回の新たな観測では中間赤外線の装置(MIRI)が用いられ、異なる波長域で独立した証拠が得られた。「シグナルは強く、明確でした」と教授は語る。

 今回の発見の統計的な信頼度は「3シグマ」レベル(結果が偶然である確率が0.3%)に達している。科学的な発見として広く認められる基準とされる「5シグマ」(偶然である確率が0.00006%未満)にはまだ達していないが、研究チームは、あと16~24時間程度のJWSTによる追跡観測で、この基準に到達できる可能性があると考えている。

「数十年後、私たちはこの時点を振り返り、生命が存在する宇宙が手の届く範囲になった時だと認識するかもしれません」とマドゥスダン教授は言う。「これは、『我々は宇宙で孤独なのか?』という根源的な問いに、私たちが答えを出す能力を持つに至った転換点になる可能性があります」。今回の発見は、その壮大な探求における、重要な一歩となるかもしれない。

提供元・TOCANA

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