で、なにを隠そう、ぼく自身がちょうどほぼ1年前に、それを予告して書いていた。別に、「欧米」の政治家や学者に教えてもらった成果とかじゃなくて、家で寝ながらアマプラで映画見てただけなんだけどね(笑)。

『ローマの休日』のペックとヘップバーンのように、アメリカがヨーロッパに自由を教え「庇護」する関係がずっと続くなら、同作も美しいラストシーンで終わることができたのかもしれない。しかし、そのようには映画を終えなかったワイラー監督の直観は、いま正しさを証明しつつある。 (中 略) 日本人はつい「欧米」と言いがちだが、実は「欧と米」が一体であり得たのは、歴史上のごく短い例外期にすぎなかったと、これからは振り返られるのかもしれない。その最も幸せな季節に撮られた『ローマの休日』にすら託されていた不穏を、私たちは読み誤ってきたのかもしれない。

2022年の2月にウクライナ戦争が始まった際、圧倒的に多数の識者が、自由民主主義を掲げる「西側世界の結束」をうたった。僕自身もそう思った。しかしその帰結はいまや、欧と米との分離による「西側世界の解体」になり始めてすらいる。

公開日は2024年の4月15日 強調等も原文のママ

1年前なので、まだウクライナ支援に熱心なバイデンが大統領で、ヴァンスは共和党の副大統領候補に選ばれる前である。なんだけど、当たっちゃうんだな、これが。繰り返すが、『ローマの休日』見てただけなのに。