さらに、将来的に民間企業が融資やアドバイザリー業務を通じてプロジェクトを支援する可能性も考えられる。建設資金の調達などにおいて大きく背中を押すサポートとなり、プロジェクトの現実性を高める。これが政策金融機関が弾き出した数字の威力というものだ。
ただ、現時点では「立場表明」に留まり、具体的な資金提供や計画の確定を意味するものではない。これを機に自治体側も新スタジアムに前向きとなる可能性もあるが、予算や立地、県と市の役割分担など、まだまだ多くの課題が残されている。
また、サッカー専用スタジアム建設計画が立ち上がると、一部で“税リーグ”などとの揶揄や「税金の無駄遣い」とする反対意見が噴出することもまた事実だ。納税者全体を納得させ、合意形成が求められる点も留意が必要だろう。
今回のDBJの表明は、新スタジアム建設が単なるスポーツ施設の整備を超え、地域経済や社会に貢献するプロジェクトとして、国がその努力を認めたことを意味するポジティブなものだ。新スタジアム建設を目指す他のJクラブも岡山の例に続こうと、まずは集客に力を入れ、現在のスタジアムを満員にする努力をする相乗効果を期待したい。
岡山の例が新スタジアム建設へ向けて具体的な進展につながるかは、クラブと自治体の連携に加え、岡山県民の支持にかかっているといえるだろう。