まず、商品相場の主流はドル建てなのです。もちろん、円建ての金相場やビットコイン相場もありますが、それは原則ドル建てを円に換算したもの。とすればドル相場が金とビットコインの相場を裏付けるとも言えます。ドルが安くなればそれらの相場は上がるということです。一般にはドルが安くなるのは金利が下がるとき、だとも言えます。

金についてはドル通貨との代替性をふくめ、引き続き強い相場を示してますが、私はこの数日で9割方、売却しました。残りも数日中に処分します。理由は金に代替を求める熱量がいったん満腹状態杯だとみているからです。あくまでも個人の判断です。

ビットコインについてはトランプ氏のかつての強い支持発言が「オオカミ少年化」しているため、大きな調整を余儀なくさせられています。ただし、世界ベースでビットコインへ投資をしやすい環境が整備され、多様な商品が出ているのでかつてのような打ち上げ花火的な下げ一方にはならないとみています。

ビットコインの採掘コストは環境問題にも直面し、飛躍的に上がっており、相場が下がり続ければ採掘できなくなるため、希少性は上がり、相場は上がるのです。ビットコイン相場の冷やし玉は実はビットコインの採掘者が相場を見て売り出すことが一因となっており採掘コストは金相場と同様、相場形成に極めて重要な意味を成し、そのコストは原則上昇傾向にあるのです。

原油相場は政治的で恣意的、銅相場は「経済の体温計」と申し上げておきます。原油はOPEC⁺による相場コントロールが行われており、そこにはロシアの懐具合が強く影響しています。今般の増産決定はロシア主導だったと思いますが、それはウクライナとの戦費捻出だろうと容易に想像できるでしょう。

一方、トランプ氏が原油についてアメリカ国内で「ドリル ベイビー ドリル(掘って掘って掘りまくれ!)」と吠えていましたが、あの時、アメリカの原油採掘者は冷たい顔をしたのです。「掘れるわけないだろう」と。理由は長くなるのでかつ愛しますが、原油相場などそんな簡単な仕組みではないのです。