夢想的な機甲戦力という「お遊戯」している兵隊や予算があるならば、ドローンやドローン対処、ネットワーク化などに振り向けるべきです。
10式は単に新型戦車が欲しいという駄々っ子レベルの欲求を満たすために、いかに90式では駄目かという屁理屈をこねたけです。増加装甲と燃料、弾薬おろして40トンにしないと内地で運用できないという現実離れした「設定」にしたので、近代化も不可能です。そもそも転輪を6輪から5輪に減らしたので、更に車内容積が減って近代化は難しい。特に無人砲塔の導入は絶望的です。そして防御力も他国の戦車に大きく劣っており、ドローン攻撃では虐殺の対象でしかない。
かといって重量を増やすと、まるでショーンKのような「設定」が崩れて、開発理由は嘘だったのかと言われるわけです。
更に申せば陸自16万人体制の維持は不可能です。少子高齢化で人口が減る中、いくら待遇を上げても集められる隊員の数は限られている。現状既存部隊を潰さないでボコボコ新しい、部隊をつくっているから、既存部隊は骸骨みたいなものです。この点からも優先順位が低い戦車と機甲部隊は廃止すべきです。せいぜい種火程度で教育所要とあわせて100両も残せばいいでしょう。
ですが、そう言えば条件闘争をするでしょうから、やはり潔く全廃すべきです。
あるいは戦車の代わりに16式MCVを使えばいい。それでも機甲戦の種火は残せます。
第二次大戦前のドイツ軍は描きわりの戦車を使って訓練していたのですから、それより、よほど上等です。
端的に言えば戦車の維持は「小人居して不善を為す」の類です。
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防衛破綻 – 清谷 信一
専守防衛 – 清谷 信一
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財政制度分科会(令和6年10月28日開催)資料 防衛 防衛(参考資料)
財政制度分科会(令和6年10月28日開催)資料 防衛 防衛(参考資料)
編集部より:この記事は、軍事ジャーナリスト、清谷信一氏のブログ 2025年4月5日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、清谷信一公式ブログ「清谷防衛経済研究所」をご覧ください。