今後、DOGEはおそらくFBIやCIAと連携し、そのあたりの調査を進めると思われる。FBI長官に就任したキャッシュ・パテル氏は2月21日の就任演説で並々ならぬ覚悟を述べている※71)。トランプ氏やマスク氏が強硬なスタンスで積極的に大ナタを振り続けるのは、もしかしたら不正や汚職が必ず暴けると信じているからかもしれない。
いまアメリカでは「Epstein File(エプスタイン・ファイル)」の公開に多大な関心が寄せられていて、Xでトレンド入りもしている。ご存じない方のために、ここで概略をまず説明したい。
2019年に拘留施設で死亡した実業家ジェフリー・エプスタイン氏は、児童への性的暴行などの容疑で逮捕・有罪となった人物だが、彼が所有していた島で、有力政治家や著名人の児童買春を斡旋した疑惑が持たれている。
トランプ氏は以前より、この島へ訪れた人物リストや記録データ=エプスタイン・ファイルを公開すると公言してきた。トランプ政権誕生後、情報公開の責任者となったパム・ボンディ司法長官は、トランプ氏の意向に従ってFBIに関連資料の提供を要求し、FBIから200ページ分の資料を受け取ったが、内部告発者の情報提供により、それはFBIが保持する関連資料のほんの一部だったことが判明し、大きな問題へと発展している※72)。
ボンディ長官は、FBI長官に就任したパテル氏に対して、FBIが裏をかこうとした実態を共有し、改めて全ての関連資料を手配するよう求めた※73)。また、FBI内でエプスタイン・ファイルを隠蔽しようと画策した人物を洗い出し、処罰する構えも見せている。
パテル氏は、「隠蔽も、文書の紛失も、手をこまねくこともあってはならない。これを守れぬような前局員や現局員は、速やかに追及される」「発見したものはすべて司法省に提出し、十分に評価された上で、あるべき姿として透明性をもって米国民に公表する」として※74)、資料の確保に奔走中だ。もし順調にいけば、ファイルは恐らく近日中に入手され、全貌が公開されるかどうかといったタイミングにある。JFKファイルも先日公開され、内容の分析が続いている。

ボンディ長官がパテル長官に宛てた手紙司法省HPより