しかし、本当にそうなのでしょうか?

実は関税は、目に見えない(もしくは、見えにくい)悪影響が非常に大きい、悪質な税金だといえます。

このことに関して、わかりやすくまとまった記事を一部意訳して紹介します。

アメリカの自由主義系シンクタンク・ミーゼス研究所のHPに3月8日掲載の記事「関税の隠れたコスト: バスティア『見えるもの、見えないもの』からの教訓」です。記事では、カナダが言及されていますが、これは日本(またはそれ以外の国)に置き換えてもほとんど同じだと思います。

フレデリック・バスティア(1801~1850)は、フランスの経済学者で、自由貿易を支持しました。

フレデリック・バスティア

太字と(※)は筆者です。元の記事は以下から全文が読めます。

関税の隠れたコスト: バスティア『見えるもの、見えないもの』からの教訓

関税はしばしば、国内産業を保護し雇用を創出するシンプルな解決策のように説明されます。トランプ大統領をはじめとする政治家たちは、関税を政治的手段として利用し、競争の緩和と国内生産の拡大を通じて、即時の利益を約束してきました。

しかし、このような説明は、フレデリック・バスティアが「見えるもの、見えないもの」の原則の中で明確にした根本的な経済学的教訓を見落としています。この教訓を関税に当てはめれば、保護主義政策が経済に与える隠れた長期的ダメージが明らかになります。

カナダにとって、米国の関税に報復で反応することは問題を増幅させるだけです。その代わりに、カナダは経済的自由を最大化し、構造改革を受け入れる戦略を採用しなければなりません。

バスティアの「見えるもの、見えないもの」の原理とは何か?