全員を納得させることはできない。5%の人でも納得させられたらいい。そこで私たちがどのように事実を確定しているかについて、徹底的に開示する。報道するだけではなく、どうしてそう思ったかを見せる。5%を納得させられたら、世界が変わる。今度は次の5%を説得する。
ロシアとの距離感
ーロシア政府の関係者が米大統領官邸に入っていた。影響を与えていた可能性は?
バロン氏:驚くことではない。第1期目の2017年、トランプ氏はロシアの閣僚と官邸で会っている。これを目撃した唯一のメディアはロシアのメディアだった。驚くべきことだった。
今のトランプ氏は、なぜかプーチン氏を喜ばせようとしている。なぜそんなことをしなければならないのかわからないが。世界平和を実現するには、プーチン氏の側にいるべきと思っているのかもしれない。そうすることによって、平和ではなくもっと対立が起きると見る人もいる。
米政権はロシアも同様のことをしてくれるだろうと思っているのかもしれないが、そんなことはないだろう。
米政府はロシアに対するサイバー攻撃を止めたと発表した。ロシアが対米のサイバー攻撃を止めたという話は聞かない。なぜ米国は停止したのか。
ウクライナ戦争でも、米政府はゼレンスキー大統領に譲歩を求めた。ロシア側には譲歩を求めているのだろうか。ロシアにどんなプレッシャーを与えているのか。政府側は答えていない。
―トランプ政権下でも、ワシントン・ポストやほかの伝統メディアは果敢な報道を続けられるか。例えばベゾス氏が何か言ってこないか。
バロン氏:これからの報道ぶりを見ないといけないが、今のところよくやっていると思う。
ワシントン・ポストはイーロン・マスク氏がどのようなことをしているのかを調査報道で明らかにした。いかに国民の個人情報にアクセスしているか。私的情報であるはずの医療情報、税金支払い情報にも。
DOGEによって大きな節税ができるというが、どうも数字が合わない。ポスト紙はDOGEの仕事の内容やマスク氏がいかに利益を受けているかを明らかにした。ジャーナリストたちは積極的に報道してきた。