メディアは、社会の中の特定の意見ばかりを取り上げるべきではないと思う。多様な視点を紹介するべきだ。私たちメディアは全米中を訪れ、様々な人の視点がメディアに反映されるようにするべき。トランプ氏の支持者の声も、だ。

ほとんどの米国民は政治とは関係のない生活を送っている。なんとか生活し、子供達にはよい教育を与え、自分の子供たちは自分よりもよりよい人生が送れるようにと努力している。こうした人たちの声、何を望んでいるのかを伝えていくべきだろう。こういうことを定期的に、継続してやっていけば、人々はメディアにもっと信頼感を抱くようになるだろう。長期的な話になるだろうが。

同時に、単に報道するだけではなく、どうやって報道しているかを示すことも必要だ。どのようにして情報を得ているのか、そのやり方などを公にする。文書、動画、データ、なんでもよいが。「私たちの仕事ぶりをチェックしてほしい」がキーワードだ。読者にはそうする権利がある。チェックする機会を与える。もし間違っていたことがあったら、それを読者に知らせる。

「事実が共有されていない」

―ソーシャル・メディアについてどう見るか。

バロン氏:多くの人がソーシャル・メディアからニュース情報を得ている。全くニュースを読まない人もいる。友人や家族から情報を得るからだ。

最近の世論調査によると、3分の1の人がどのメディアからもニュース情報を得ていなかった。次の3分の1はソーシャル・メディアからだった。これによって、自分がもともと持っていた見解が強化される。残りの人は伝統的なメディアに行くが、自分たちの信条に合致したメディアを消費する。

私たちは難しいときにいるのだと思う。社会の中で、事実が共有されていないからだ。もっと悪いことには、どうやって事実を確定するかについてさえ合意がない。

今まで私たちが事実確定のために使ってきたことは今は通用しないのだといわれてしまった。つまり、教育、専門性、経験、そして実際の事実だ。しかし、こうしたことがすべてが否定され、価値が低く見られる危険な状況がある。