『Voice』2023年10月号、70頁 段落を改変
TRAによる言論弾圧として人口に膾炙する、KADOKAWAの出版中止事件が起きたのは23年の12月だが、これについても誤解が多い。以下のまとめに表れている通り、SNSで暴れたのは、一般の目には「誰?」な人がほとんどだ(お前も同類だろ、と言いたい方は、ご自由にどうぞ)。ずらりと誇示されたオープンレターの署名者リストとは、比較にもならない。
実は、このとき意見書をまとめた小林えみ氏はオープンレターでも発起人で、本人がBlueskyへ逃げ出したため表示されないが、「出版自体を止めるのは難しいだろうが」との旨も記してあったはずである。ところが、かつて大学教員の肩書でTRAを先導したリーダー層は、自らが少数派だとわかった同年の春以来、発言をやめ姿を消している。
結果として「指導部」不在の運動となり、「末端」の暴走を止める人がおらず、本当に出版を中止させてしまい、かえって言論の自由の敵という汚名をTRAは背負うに至った。著作自体はご存じのとおり、翌24年4月に産経新聞出版から復刊され、話題性もありベストセラーになっている。