ロンドン勢との戦いを苦手としている日本代表MF鎌田大地を擁するパレスは“安全圏”にいるものの、アーセナル戦とトッテナム戦を残しており、上位争いと残留争いを引っ搔き回す存在となり得る状況だ。

特にトッテナムは2019年開場のトッテナム・ホットスパー・スタジアム(62,850人収容)を、ウェストハムはロンドン五輪メイン会場として建設され2011年に開場したロンドン・スタジアム(62,500人収容)といった巨大スタジアムをホームにしているとあって、2部降格など許されない。


ミケル・アルテタ監督 写真:Getty Images

ロンドン勢の監督人事にも注目

現状、ロンドン最強クラブは、3シーズン連続リーグ2位が濃厚となっているアーセナルということになるが、3シーズンぶりに欧州カップ戦出場権を得られそうなチェルシーが、来シーズンその立場を逆転させる可能性もあるだろう。そこで鍵を握りそうなのが監督人事だ。

既にアーセナルで2019/20シーズンからの長期政権を敷いているミケル・アルテタ監督に対し、来シーズンのチェルシーを占う上で重要なファクターとなるのが、45歳の青年エンツォ・マレスカ監督をフロントが信頼し続けられるかどうか。同監督は今シーズンまで、2部(EFLチャンピオンシップ)に降格していたレスター・シティの監督として1年でのプレミアリーグ復帰とリーグ優勝に導いた経験しかなかった。

さらに、更迭の噂も囁かれているポステコグルー監督をトッテナムが続投させるのかにも注目だ。

欧州のサッカーリーグを見渡しても、1つの都市のクラブだけで全体の3分の1を占める例など見当たらず、その都市だけで順位表が作れることなどロンドンならではだ。さらに言えば、それだけクラブがありながらも、優勝クラブとなると2016/17シーズンのチェルシー以来出ていない(同シーズンの2位はトッテナム)。プレミアリーグの奥深さを示しており、面白いところだ。