■重力

 素粒子物理学の標準モデルによれば、自然界には電磁力、強い核力、弱い核力、重力という4つの基本的な力が存在する。

 不思議なことに、重力はほかの基本的な力よりもはるかに弱い。

 たとえば冷蔵庫に貼りつけた小さなマグネットは、地球の重力よりも大きな電磁力を生み出しており、したがってマグネットは床に落ちずに済んでいる。ちっぽけなマグネットよりも重力は弱いのである。

 欧州原子核研究機構(CERN)によれば、重力の影響の一部は余剰次元にまで広がる可能性があるため、我々は重力の影響を完全には感じられていないという。

 余剰次元が存在するなら、宇宙が予想よりも速く膨張している理由や、重力がほかの自然界の力よりも弱い理由を説明できるかもしれない。

 また未知の次元は重力波、つまり時空構造の変化を変化させることで、現実に波紋を引き起こす可能性がある。

 重力は別の次元にも影響を及ぼしているのだろうか。そしてその結果、この世界では重力がかくも弱まっているということなのか。

我々は“10次元の世界”に生きているのか?物理法則が導く“異次元宇宙”の可能性
(画像=イメージ画像 Created with AI image generation (OpenAI),『TOCANA』より 引用)