一方、GSのセンチメントインジケーターは過去対比でも総悲観に近付いており、過去の経験では2週リターンが改善する領域に入っている。

 

週後半には米銀決算が始まる。これまではJPM決算前日に金融セクターを仕込んでおけば報われてきたことが多いことが知られているが、さすがに今回はやや怖い。決算期に入るということは、自社株買いブラックアウトがまだ続いていることを意味する。

ここからの政治ヘッドラインの予想は困難である。4/5から諸外国への一律10%関税が開始されるが、「解放の日」の一律10%のヘッドラインが流れた時は5700を上回るショートカバーという反応だったため、その後10%以上調整した指数は、カナダ・メキシコ・中国以外の国々に対する10%を遥かに上回る平均関税率を織込んでいる。

という中で、4/9の上乗せ分発動までの間、ベッセントの言う「解放の日の税率がキャップになる」という言葉を瓦礫の中から掘り起こしてみると、更なるバッドニュースとしては、中国の報復関税まで既に通過しており、残るは欧州からの報復関税のヘッドラインの可能性のみである。欧州の反応が透明になれば「ニュースの陰極」は通過したと認定できるだろう。

まさか週末の間のグッドニュースを期待してロングで跨いだ市場参加者は非常に少数だっただろうから、週末の間に追加のバッドニュースが特段なかったことを考えると、残る命題は「最後まで取り残された拙劣な裁量勢機関投資家の投げが金曜1日の間に出尽くしたかどうか」である。

気持ちとしては当然週末の間に売り切りたかっただろうから、流動性の制限で売り切れなかった可能性も想定されるが、果たしてそれが起きたかどうか、前もって判断するのは我々個人投資家にとって困難である。

もっとも、今後は日足ベースの切り返しが一度でも見られれば、そこで売り涸れと判定できるのではないか。もちろん、それ以前に4/7月曜は2%超え下げの翌営業日に当たるので、引け前のVolコントロールの売りをまずこなす必要がある。その後については、ここまでの調整における傷が浅く、また過剰なレバレッジで首の皮一枚になっていない限り、下値を叩く必要性をもはや感じない。