政治のヘッドラインについても「解放の日」の激しさまでは予想できないにしても、本ブログはカナダ・メキシコ関税の時点から「関税は歳入を毟るのが目的であり、ディールのためではない」と結論付けており、「ディールの芸術」を信じている市場参加者は政治の補習も必要である。
JPMのJHEQXが保有する5565プットはこの相場でも滑稽なことにITMにならないままエクスパイアを迎えた。6月末エクスパイアのJHEQXは5880コール売り、5290プット買い、4460プット売りとなっている。プット買いのストライクを既に通過しているが、満期までまだ3ヶ月あるためまだ慌てるような時間ではない。
金曜のオプション出来高は空前の規模となった。現物の出来高も同様である。普段なら出来高の急増は出尽くしを意味するが、果たして。
GS CTAは既にポジションを過去対比でもショートに寄っており、今回のクラッシュの恩恵を受けている。本ブログはネットに既に落ちているスクリーンショットしか拾えないので3/31時点のものしか手元にない。
DBの統合ポジショニングもだいぶ削減が進んでいる。こちらでもシステマティック勢が素早くアンダーウェイトにしているのに対し、相対的に裁定勢のポジション削減が進まなかった。これは今回のクラッシュの特徴である。
BofAもCTAのショート継続を描いている。
バークレイズの試算でもCTAは米株の売り越しが進む。
CTAは今更売り涸れているが、リアライズドVolが急上昇したため、BofAは月曜4/7にVolコントロールの大幅な売りを見込む。木曜4/3、金曜4/4共に下げ幅が2%を超えたため、金曜4/3と月曜4/7の終盤に機械勢の売りが降ってきやすいのは教科書通りである。
JPMによると、個人投資家は木曜4/3に大きく買い越してから、金曜4/4の続落局面でぶん投げている。
今回の下落局面の最大の癌がNAAIMである。さすがに徐々に悲観化はしているものの、そのペースは値動きの激しさ対比ではあまりにも遅く、これはDB裁定勢の売り遅れや、この間までのFMSのキャッシュ比率の小ささと一致している。これほどまでにアクティブ機関投資家のセンチメントは逆指標なのである。