「関税インフレのせいでFedが利下げできない」という謬論の方を素直に信じていたら、長期金利ビュー自体を外したことになっても、もっと豪快に株式指数をショートできただろう。

それでも、

「かねてから注目されてきた年金基金の月末リバランスの株式買い戻しの規模をGSは41bnと推測する。これはショートカバー局面に当たれば上昇の燃料となるが、反発局面でポジションを外したい機関投資家が待ち構えている場合は吸収されてしまう。同じ月末では5565のJPMカラーのプット買いが失効する。残り1日ではあるが5565を叩き割られた場合は下に走りやすそうであるが、その構図は31日引けで一旦消滅する。もっともその手のテクニカルで上げたとしても”解放の日”まで持ち越すのは困難である」

「3月上旬から想定してきたように中期的なダウントレンドに転換している可能性が高く、先週の展開からも分かるように、上げを取る方が、少し前に下げを取るような投機であるとの自覚が必要となる。もちろんこれは上げがないことを意味するわけではないし、今週のイベントは内容はともかくタイミングはほぼ全てオープンリーチであるため、3/27のようなショートカバーもちょいちょい見られるだろうが、イベントに向けた事前ヘッジの定刻カバーが唯一の買い手と思われ、裁量勢はもちろん、上で見てきたように機械の買いも出て来さそうなので、カバーが済んだところは再び売りに押されやすくなると思われる」

としていたのは、3月末にあたる週前半のテクニカルな堅調さまで含め、週間の値動きをかなり精密に予想できたと思っている。

「週足は再び大きな週足上ヒゲ陰線となり、5787は週足レベルのレジスタンスとなる。従って先週5800台としていた売り場は少なくとも5700台まで降りて来る」としていたが、「解放の日」前の高値は5695であった。

それだけに、2月Op Exから始まる今サイクルの急落を予想し――ショートで稼げたかどうかは別として――ロングによる損失の大半を回避するのは決してたどり着けない境地でもなければ、難しい作業でもない。ここまでの間に調整を全く予想できなかった人間の発信はもはや今後参考にする価値がないとさえ言えるだろう。