NASAは2021年11月24日、地球に接近する小惑星の軌道を変更させることを目的とした「DART」と呼ばれるミッションをスタートさせた。未来の地球の安全を守るためにNASAと欧州宇宙機関(ESA)が結束して「地球防衛システム」を構築するため約3億3000万ドルを投入したビッグプロジェクトだ。DART計画は、宇宙探査機(プローブ)を打ち上げ、目的の小惑星に衝突させ、小惑星の軌道の変動を観察する実験だ。DARTはDouble Asteroid Redirection Test(二重小惑星方向転換試験)の略だ。小惑星が地球に衝突する軌道上にあると判明した場合、その軌道を微調整することで地球に衝突する危険性を排除する試みで、地球が宇宙で今後も存続していくための危機管理ともいえる計画だ。ただし、2024 YR4は惑星に重大な衝突リスクをもたらさないため、この小惑星の潜在的な偏向技術について推測するのは時期尚早だ(「天体の動きを変えた人類初の試み」2022年10月13日)。
⑤2024 YR4が月に衝突する可能性は?小惑星2024 YR4が2032年12月22日に月に衝突する可能性は非常に低いが、小惑星が月に衝突しても、月の軌道は変わらない。
編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2025年4月日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。