以下は、今回の雇用統計の詳細。

〇非農業部門就労者数

米3月雇用統計・非農業部門就労者数(NFP)は前月比22.8万人増となり、市場予想の13.5万人増を上回った。前月の11.7万人増(15.2万人増から下方修正)からも増加し、3カ月ぶりの強い伸びだった。

NFPの内訳をみると、民間就労者数は前月比20.9万人増と市場予想の13.7万人増を上回った。前月の11.6万人増(14.0万人増から下方修正)も超えた。民間サービス業は19.7万人増と、前月の9.0万人増(10.6万人増から下方修正)を下回った。

チャート:NFPは堅調な伸びを維持、失業率は2カ月連続で上昇も今回は労働参加率に連れた格好

nfp25mar_nfp (出所:Street Insights)

1月の1.4万人の下方修正(12.5万人増→11.1万人増)と合わせ、過去2カ月分で4.8万人の下方修正となった。これで、2023年以降では、26回のうち18回目の下方修正(8回は上方修正)となる。

チャート:NFPと修正幅(グレー枠は2023年以降の修正幅)

nfp25mar_rev (出所:Street Insights)

サービス部門のセクター別動向は11業種中で9業種で増加し、速報値ベースの8業種を上回った。今回最も雇用が増加した業種は17カ月連続で教育・健康で、続いて娯楽・宿泊、小売が並んだ。後者2業種は前月減少していた。一方で、卸売と情報は減少した。

(サービスの主な内訳)

nfp25mar_sec2 (出所:Street Insights)

財生産業は前月比1.2万人増、前月の2.6万人増(修正値)に続き増加した。業種別をみると、建設が同1.3万人増と2カ月連続で増加、製造業も0.1万人増と2カ月連続で増加。鉱業・伐採は小幅ながら減少に転じた。

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チャート:業種別、雇用の増減

nfp25mar_sec1 (出所:Street Insights)

〇平均時給

平均時給は前月比0.3%上昇の36ド ル(約5,240円)と市場予想と一致した。前月の0.2%(0.3%から下方修正)を上回る。2021年2月以降の上昇トレンドを維持した。前年同月比は3.8%と市場予想の3.9%だけでなく、前月の4.0%(4.1%から下方修正)にも届かず、8カ月以来の低い伸びだった。生産部門・非管理職の前年同月比は3.9%と、2021年5月以来の4%割れを迎えた。