一方で、アンダーソン(Anderson)らは2003年発表の論文で、カップルは交際当初から類似しているのではなく、時間の経過とともに類似性が高まることを示唆しています。
このように男女の惹かれあいにおける類似性と相反性の理論は様々にありますが、心理学研究を概観すると、類似性を重視する仮説に一貫して支持が集まっています。
今回ご紹介する研究でも、「似ている人同士が引き合う」という結果が示されました。
数百万組のカップルの情報を含む大規模データを使用した調査において、研究者らは「パートナーは共有している特徴を持つことが多い」という結果を引き出しました。
宗教心や政治的学習などの深い価値観、喫煙や性行為などの経験も含め、パートナーは最大89%の特徴を共有していたそうです。
一方で、個人は自分とは異なる人とパートナーを組む傾向は、3%しかみられないことも示されています。
データは「正反対の相手が引き合うことは殆どない」と語る
米国コロラド大学ボルダー校(University of Colorado at Boulder)の研究者らは、人々が恋愛関係や結婚をする際に、どれだけ似た特性を持つ人々と結びつくかを調査しました。
研究は2つの分析から成っています。
一つは、過去の199の研究論文から480のデータを収集して、様々な角度から統合したり比較した分析です。ここでは、心理学、社会学、人類学などでよく研究される22の特性についてパートナー間の類似性を調査しました。
もう一つは、英国の大規模データベースを使用し、79,074組のカップルの133の異なる特性に関する類似性の分析です。

いずれの研究も、対象となったカップルは男女の組み合わせでした。