ここまで来るとさすがに、玩具レベルは超えていますね。

数学的な法則性を持つ図形は、プログラムを使ったり単純な道具の組み合わせることで簡単に描くことができます。しかし、私たちがフリーハンドでそれを再現しようとすると、とてつもなく難しい作業になります。

その作業的なアンバランスさと、秘められた法則性が私たちを魅了してやまない理由でしょう。そしてそれこそが数学の持つ美しさでもあります。

数学理論とアートは深い関係があります。たとえば、多くの人を魅了する画家エッシャーは数学の法則を使ってさまざまな作品を生み出しています。

エッシャー作「サークルリミットⅢ」。エッシャーは双極幾何学の理論を用いて4次元的なパターンを2次平面上に再現してこの図形を描いた。
エッシャー作「サークルリミットⅢ」。エッシャーは双極幾何学の理論を用いて4次元的なパターンを2次平面上に再現してこの図形を描いた。 / Credit:en.wikipedia

子供のころ何気なく遊んでいたスピログラフも、大人になってから数学に思いを馳せながら触ると違った印象で見えるかもしれません。

たまには、スピログラフで自分好みの幾何学模様を探してみてはいかがでしょうか。良い気分転換になるかもしれません。

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参考文献

Denys Fisher, Inventor of the Spirograph (1977)
https://thekidshouldseethis.com/post/spirograph-inventor-1977-denys-fisher-video

The Mathematics of Spirograph
https://aperiodical.com/2021/12/the-mathematics-of-spirograph/

ライター

大倉康弘: 得意なジャンルはテクノロジー系。機械構造・生物構造・社会構造など構造を把握するのが好き。科学的で不思議なおもちゃにも目がない。趣味は読書で、読み始めたら朝になってるタイプ。

編集者

ナゾロジー 編集部