一方で週40時間を超えると明確にマイナス効果が強まり、とくに40〜50時間労働のグループで出生意欲が最も急激に低下していることがわかります。

60時間以上の過重労働では個人差がやや大きくなるものの、全体としてはやはりマイナスの効果が強いようです。

興味深いのは、夜勤・週末勤務・オンコールといった「いつでも仕事モード」に近い人々ほど子どもを持ちたいと思う割合がさらに少なくなる点です。

具体的には、週0~20時間の労働にとどまっている人々(パートタイムや特定のフレキシブル勤務など)では、およそ65%が「2年以内に子どもを持ちたい」と回答しています。一方、週20~40時間のいわゆるフルタイム基準内の労働をしている人では、約50%が同様に「子どもを持つ予定がある」と答えました。

しかし、週40~50時間になると出生意欲は32%まで大幅に低下し、週50~60時間の残業が多い層では25%へとさらに落ち込みます。研究チームによれば、40時間を超えた時点から精神的・体力的負担が急増し、パートナーとの時間や自己啓発に費やす余裕が一気に減ってしまうことが原因の一つとしています。さらに、週60時間以上の過重労働に及ぶ層では、回答者全体の平均こそ22%となっていますが、個人差が大きく、中には「家庭を持つ気力がほとんどない」と答えた事例も散見されたということです。

勤務形態の違いも顕著でした。夜勤や週末勤務、オンコール勤務の経験が「頻繁にある」と答えた人のうち、「2年以内に子どもを持ちたい」とする割合は20%前後とさらに低下します。逆に、フレックス制度の活用が可能な職場やリモートワークが普及している職場では、この数字が35~40%程度にまで回復していることも分かりました。

研究チームは「長時間労働や不規則勤務の多い環境ほど、出産や育児に対して慎重になる傾向が明らかになった。特に週40時間を超えると、心理的負担と時間不足が本格的に出生意欲を下げるようだ」と指摘しています。