訪米中、異口同音に聞かれたのが「トランプ2.0では大統領周辺に忠誠心の強い陣容を固め、4年間準備をしてきたので、トランプ1.0に比してはるかに行動が迅速であり、情け容赦がない」というものであった。

確かにトランプ1.0ではティラーソン国務長官のようにはパリ協定離脱に反対する閣僚もいたが、トランプ2.0ではそうした不協和音は聞かれない。政府幹部職員のSNS等での過去の言動が調べられ、一度でもトランプに批判的な言動があったものは、継続雇用が決まっている者でもパージされているという。政府機関の枢要人事もなかなか進んでいないらしい。

3月初めにホワイトハウスの国家エネルギードミナンス会議(NEDC)の事務局長に就任したオリバー・マクファーソンスミスがわずか2週間程度で離任し、関係者を驚かせた。背景はよくわからない。

バイデン政権の施策の180℃転換を旨とするトランプ政権のエネルギー温暖化政策は緒についたばかりだ。大統領令に盛り込まれた意図表明がどの程度進むのか。時間をかけてじっくり見ていくことが必要だ。