これまでの研究により、宇宙が加速度的に膨張し続けていることが示されています。
宇宙が膨張し続けるとより多くの微粒子が乱雑に動き、結果的に物理エントロピーは急激に上昇していきます。
しかし熱力学の第1法則に従うには、宇宙の物理エントロピーは一定でなければなりません。
これは「エントロピーのパラドックス」と呼ばれています。
そこで研究者たちは膨張する宇宙では全体のエントロピーが保たれるように、物理エントロピーが増加する一方で、情報エントロピーが減少していくと考えました。
たとえば宇宙の進化が進んで宇宙全体が均一になった場合、物理エントロピーは最大値に達しますが、均一な空間は区別がつかず、情報量は最小値に達することになります。
情報力学第2法則は熱力学第2法則の裏返しとなり、物理エントロピーだけでは解釈しきれない現象を補完できるのです。

今回の研究により、宇宙で起こるさまざまなイベントでは情報力学第2法則に従って情報の圧縮が発生することが示されました。
研究者たちは、この宇宙に存在する情報圧縮の仕組みは、私たちがシミュレーション世界に住んでいることの状況証拠になり得ると述べています。
過剰な情報の削除は演算機の処理やデータ容量を節約し、不要なコードを削除または圧縮するのに役立つからです。
もし私たちの世界をシミュレートする演算機が存在した場合、情報圧縮の仕組みを宇宙の法則に組み込むことは、メンテナンスにおいて有利に働くでしょう。
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参考文献
Physics Revelation Could Mean We’re All Living in a Simulation
https://www.sciencealert.com/physics-revelation-could-mean-were-all-living-in-a-simulation