ポンジ・スキームは「投資家に配当や元本を返すために、新しい投資家からの資金でそれをまかなう」つまり借金を借金で回す構造です。これは最終的には資金流入が止まった時点で破綻します。

先進国では政府は国債の元本をほぼ償還せず、次々と新しい国債で借り換え(ロールオーバー)している。利払いも借換えでまかなうことが多い。この構造は、形式的にはポンジ・スキームに似ているとも言えます。

■ NPG条件

この疑問を正式に扱ったのが、No-Ponzi Game(NPG)条件と呼ばれる理論です。政府債務が永遠に新たな借金でのみ返済され続けるのではなく、利払い・元本の一部が財政黒字でまかなわれるという条件。もしこの条件が満たされないと、債務は雪だるま式に膨らみ、最終的に信用を失って破綻する(インフレ、債務不履行など)。

■ MMTの立場

MMTはこのNPG条件を明示的に否定します。

政府は通貨発行権を持っており、元本も利払いも新たな通貨発行で無限に対応可能。 金利が永遠にゼロなら国債を償還する必要はなく、永遠に借り替えられる。 重要なのはインフレ率だけ。

つまりMMTは実質的に永遠のポンジ・スキームを実現しようとする理論ですが、これには金利が永遠にゼロという条件が必要です。

たとえば金利が10%になった場合は、政府債務の元利合計は雪ダルマ式に増え、8年で2倍になります。そうなっても「インフレにならなければいい」というのがMMTの主張ですが、国債は暴落して誰も買わなくなるでしょう。

Q. 日本で無限のポンジ・スキームは可能でしょうか?

これは非常にむずかしい問いですね。日本の「国債の先送り」が可能な理由と限界について、具体的な論点に分けて説明します。

■ 先送りを可能にしている“特殊な要因”

日本の国債は約90%が国内で保有されており、外国人の依存度が低い。 中でも日本銀行が大量保有(約50%)しており、これは「政府の子会社」が政府の債務を引き受けている構図。 日本は長年、ゼロ金利・マイナス金利を続け、国債の利払い負担を極めて低く抑えてきた。

■ では「いつまで」先送りできるのか?