そうやって「党派を超えて」新しい機運を作っていくことによって、

アベノミクス時代は「内部留保に課税しろ」みたいな実現性に乏しい解決策の提案しか共有できなかったので黙殺されざるを得なかった

ことが、今は

「春闘におけるベースアップをインフレ率+1−3%程度にするべきだしそれは可能だという根拠もある」という「まあまあ実現可能な」主張に結実してきている

ことで、新しい可能性が生まれつつあるわけですね。

4. もう一度ノーサイドに協力しあえる流れに持っていけるか?

私は経営コンサル業の傍ら色んな個人と文通しながら人生を考える仕事もしていてそのクライアントには老若男女色んな職業の人がいるんだけど(ご興味あればこちらから)、その中に「日本の大企業の労働組合の中の人」がいるんですよね。

で、これは私の著書にも書いたことなんですが、その人は僕と同じぐらいのミドル世代の人なんだけど、

「上の世代の労組」の人が、企業との間の真剣な賃上げ交渉を頑張るよりも、「基地問題・原発問題・その他左翼メッセージ全部のせイベント」をやることにしか興味がなく、それに若い世代が非協力的だと激怒してくるっていう話

…をしていて(笑)

いやいや、どんな政治問題もちゃんと考えて声をあげること自体は大事ですが、それぞれの分野には専門的に難しい課題があって、そこに真剣に向き合っていかないと前に進まないですよね。

米軍基地問題も、例えばウクライナが辿った運命のようなリアルな安全保障の議論から逃げずに行わないとただ「けしからん」って言ってるだけじゃ実現するわけがない事が明らかになってる時代ですし、原発問題にしても、リアルな電力改革の議論と丁寧に関わっていかないと、ただ「原発ムラ」とかいう「巨悪」をでっちあげて陰謀論をめぐらしていても現実に取り入れられるわけがない。

さっきの「内部留保」の話における「とにかく全員に職を配るという事情」だったり、基地問題における「米中冷戦時代に軍事的均衡を保つ事情」のように、過去20年の日本の党派的な議論には、「保守派側がどうしても守らなければいけなかった一線」にもそれなりの「存在意義」はあったわけなので。