飲食業界と異なり、フィットネス業界は参入障壁が高い。トレーニングマシンなどの設備投資に加え、会員管理システムやトレーナーの採用・教育にもコストがかかるうえ、広いスペースに伴う賃料や施設維持費などの固定費も高くなるからだ。

また、日本のフィットネス人口は4%台であるのに対し、米国では20%を超えていることから、成長が期待される分野ともいえ、特に初心者をターゲットとした場合、市場開拓余地が大きい。

加えて、RIZAPの店舗撤退に要したコストを教訓に、chocoZAPでは出店段階から撤退リスクを極小化する方法を採用し、店舗撤退基準も設けている。よって、今後、仮に競争激化から赤字店舗が発生してもコストの垂れ流しが続くことはないだろう。

RIZAPグループ中期経営計画 P39より抜粋

実際、構造改革中のRIZAPグループ各社は店舗撤退の迅速さが際立っているし、また各社がコロナ禍の影響に苦しむなか、2021年3月期にいち早く黒字転換をした実績からも危機管理能力の高さがうかがえる。

※営業利益:2025年3月期営業利益は今期業績予想、2026年3月期および2027年3月期は中期経営計画目標より

価格・サービス戦略

現時点で、月額会員費は一律2,980円(税込3,278円)で、サービス利用にあたってのオプション費用もない。MRI(脳ドック)・CT・エコー検査さえも条件付きで年に一度無料で受けられる。しかし、瀬戸社長のさまざまなインタビュー記事を読む限り、価格を重要な要と捉えていることから、よほどのことがない限り、変更はないだろう。

また、RIZAPグループの強みの一つは徹底したマーケティングにある。chocoZAP自体も9カ月にわたるテスト期間を経てサービスを開始しているし、広告やチラシも何百、何千というパターンを作成して検証を行い(P53-55参照)、効果のあるものだけが生き残る。

これはchocoZAPのサービスにおいても同様で、AIカメラなどでサービスの利用率を把握し、ニーズの高いものは拡大され、低いものは廃止されていく。

2025年3月期第3四半期決算補足資料 P21より抜粋