UFO・UAPを単なるオカルトや陰謀論として片づける時代は、もう終わったのかもしれない――。

 アメリカではすでに国家安全保障の枠組みで“UAP(未確認異常現象)”の解明が進む中、日本でもその動きが静かに、だが確実に広がりつつある。2025年3月28日、永田町・衆議院第一議員会館の地下で開かれたのは、「安全保障から考える未確認異常現象解明議員連盟」(会長・自民党・浜田靖一元防衛相)による第2回総会。立憲民主党・原口一博議員、日本維新の会・遠藤敬議員、前原誠司議員らをはじめ、自民、立憲、公明、維新など政党の垣根を超えた議員たちが一堂に会し、空に潜む“未知”と本気で向き合おうとしていた。

 今回は、現地で取材を行ったTOCANA編集部が、その総会をレポートする。

 なお、この総会の開催に向けて、舞台裏で奔走してきたのが日本維新の会所属の前衆議院議員・浅川義治氏だ。政界随一のUFO愛好家として知られ、関係者の間では「UFO議員」の異名をとる彼は、アメリカの登壇者をはじめ、議員たちへの働きかけから調整、当日の運営に至るまで多方面で尽力。今回の会合は、そんな浅川氏の熱意と粘り強さが結実した場でもある。

【UFO議連総会レポ】議員会館で交わされた衝撃証言の数々
(画像=『TOCANA』より 引用)

 会の冒頭では、UAP問題の最前線で活動するクリストファー・メロン氏(元米国防次官補)、ピーター・スカフィッシュ氏(SOL財団共同設立者・人類学者)、ティム・ギャローデット氏(元海軍少将・元米海洋大気庁〈NOAA〉長官代行)、共和党のエリック・バーリソン下院議員による特別メッセージが紹介された。

 それぞれの立場から語られた内容はどれも興味深く、UAPをめぐる議論の幅広さと奥深さを感じさせる。

 ここでは、そのメッセージの内容、そして質疑応答の模様を紹介していこう。

クリストファー・メロン氏が語る「UAPの本質」と非人間知性(NHI)の可能性

【UFO議連総会レポ】議員会館で交わされた衝撃証言の数々
(画像=『TOCANA』より 引用)

「UAPは、人類史上もっとも重要な謎のひとつである」――そう断言するのは、元米国防次官補であり、長年UAP問題の最前線で活動してきたクリストファー・メロン氏だ。今回の議員連盟発足に寄せて、彼は自らの経験と知見をもとにメッセージを発した。

 まずメロン氏が強調するのは、「軍事的なドローンが進化する中、それをいかに探知・識別できるか」という現代的な安全保障の要諦である。実際に、目撃されている飛行物体の中にはドローンとみられるものもあるが、明らかにそれとは異なる“奇妙な乗り物”も存在するという。

 そして彼は確信をもって語る。

「それらが非人間知性(NHI=Non Human Intelligence)によるものである可能性は高いと考えられる。UAPを追究するほどに、その方向性が強く裏付けられていく」

 UAP現象の核心には、単なる未確認航空機ではなく、より根源的な問いが存在する。それは、我々以外に知性を持った存在がいるのかどうかという疑問だ。メロン氏は「非人間知性が存在しない確率は低い」と語り、人類以外に長い歴史をもつ文明の存在に可能性を見出している。

 ただし、その存在が“生物”とは限らないという。メロン氏はNASAの高官が示唆した「AIによる存在」の可能性にも言及し、「我々の常識では捉えきれない知性体がすでに近くに来ている可能性も否定できない」と語る。

 こうした一連の発言から見えるのは、もはやUAPが単なる軍事的関心やエンタメ的陰謀論では済まされないという現実だ。安全保障、科学、そして人類存在の根幹に関わる問いが、いま国際的に浮かび上がっているのかもしれない。