この時、立花孝志候補が齋藤知事失職に至る経緯を踏まえ齋藤知事擁護に回ったことで、二馬力選挙などと揶揄されたが、一方で兵庫県下22市長が市長会の総意として稲村候補支持を表明したことも、後々、問題視されるに至る。

そして、百条委員会と第三者委員会の報告内容は、反齋藤知事の論調となっている。果たしてそこに客観性は存在しているのか?という疑問はついて回ることになるが、いずれも、齋藤知事への刑事告訴に至るような内容とはなっていない。

兵庫県問題の総括

県知事選(2024年11月)

2024年3月に元西播磨県民局長が斎藤知事のパワハラや不正を告発する文書を公表し、県が告発者を特定して懲戒処分(停職3か月)としたことが発端。 県議会は6月に百条委員会を設置し調査を開始。7月に告発者が自殺し、9月に不信任決議が全会一致で可決され、斎藤氏は失職。11月17日の出直し選挙で再選を果たした。 選挙では、斎藤氏の「県政継続」と「疑惑否定」が支持を集めた一方、反対派は「疑惑解明」を訴えた。

百条委員会(2024年6月~2025年3月)

2025年3月4日に報告書を公表。パワハラ疑惑について「一定の事実が含まれ、不適切な行為」と認め、県の対応を「公益通報者保護法に抵触する可能性が高い」と指摘。 法的拘束力はなく、知事への辞職要求は明示せず、「説明責任を果たせ」と提言。

第三者委員会(2024年9月~2025年3月)

2025年3月19日に報告書を提出。10件のパワハラ行為を明確に認定し、県の告発者特定や懲戒処分を「公益通報者保護法違反で違法」と断定。 知事の「おねだり体質」や不正疑惑の一部は否定したが、対応の不適切さを強く批判。

擁護派と反対派の意見

擁護派(主に選挙支持層や一部議員):再選は「民意の信任」と主張。百条委や第三者委の指摘は「政治的攻撃」や「行き過ぎた解釈」とし、県政運営の継続を重視。 反対派(自民党や公明党の一部、市民団体):パワハラ認定と法令違反を重く見て、「知事の資質不足」や「県政の混乱」を強調。辞職やさらなる追及を求める声も。

明確な点

パワハラの事実性

百条委と第三者委の双方が、斎藤知事の職員への叱責や威圧的言動を「パワハラ」と認定。第三者委は具体的に10件を特定し、法的根拠に基づく評価を下した。

県の対応の不適切さ

告発者特定や懲戒処分が公益通報者保護法に抵触するとの結論が両委員会で一致。特に第三者委は「違法」と明言し、県の初動対応の失敗を明確に指摘。

知事の姿勢

斎藤氏はパワハラを認め謝罪(3月26日)したが、県の対応は「当時は適切」と主張し、報告書への全面的反論は控えた。この一貫した態度は明確。

不明確な点

不正疑惑の真偽

優勝パレードの補助金問題や知事選での事前運動など、告発文書の他の項目は両委員会で「証拠不十分」とされ、結論が出ていない。県警への告発もあり、捜査の行方が未定。

知事の今後の対応

再選後の知事が報告書をどこまで受け入れ、県政改革にどう反映するかは不明。擁護派は「民意で決着済み」とするが、反対派は「辞職勧告や不信任再提出の可能性」を示唆し、方向性が定まらない。

法的責任の有無

第三者委が「違法」と認定した県の対応について、司法判断に至るかは不透明。知事個人の責任追及や処分の可能性も議論が分かれる。

県民を混乱させているポイント

民意と調査結果のギャップ

選挙で斎藤氏が再選され「信任された」との見方がある一方、両委員会がパワハラと法令違反を認定したことで、「民意が正しいのか、調査が正しいのか」という矛盾が県民に混乱をもたらしている。擁護派と反対派の対立がこのギャップを増幅。

責任の所在と収束の見通し

知事が謝罪しつつも辞職せず、県の対応を正当化する姿勢は、「誰がどう責任を取るのか」「いつ収束するのか」を不明確にしている。県議会や知事の次の一手が見えず、県民は宙吊り状態。

組織運営への不安

パワハラや告発者への対応が明らかになり、県庁の職場環境や通報制度への信頼が揺らいでいる。若手職員の転職意向や県政停滞への懸念が報じられ、県民生活への影響が不透明。

考察と結論