しかしペーパーフィルターを用いた場合、このジテルペンをキャッチしてくれます。つまり、紙を通して淹れたコーヒーは比較的安全というわけです。

意外と多いコーヒーの油分/Credit:canva

ところが、最近では「エコで経済的」として、金属フィルター(ステンレス製など)が家庭や職場で広まってきました。

金属フィルターは繰り返し洗って何度も使えるため、紙フィルターのように毎回買い足す必要がありません。ゴミも少なくなるので環境への負担が少なく、長い目で見ればコストパフォーマンスが高いとされているのです。

しかし金属フィルターは、紙のようにジテルペンを吸着しないため、油分をそのままコーヒーに通してしまうのです。

こうした金属フィルターは家庭向けのマシンでも売られていますが、特に職場に置かれるマシンでよく採用されるタイプです。

ウプサラ大学の研究チームは、「それなら、職場でコーヒーを飲むと体に悪いのでは?」と考え、スウェーデンの病院や医療施設にある14台のコーヒーマシンを徹底調査しました。

その結果、実際職場に置かれているコーヒーマシンは金属フィルター式が中心であり、コレステロールを上げるジテルペン類の量は、紙フィルターを用いた場合の10倍以上含まれているとわかったのです。

研究で報告されていた、このジテルペンの代表格である「カフェストール」の含有量を以下に比較して表記します(単位はmg/L=1リットルあたりのミリグラム量)。

抽出方法 カフェストール濃度(mg/L)
紙フィルター式ドリップコーヒー 約12
ブリューイングマシン(職場用) 平均176(最大で444)
ボイルドコーヒー(煮出し式) 約939

この差は驚くべきものです。ペーパーフィルターを使えば大半のカフェストールは取り除かれますが、金属フィルターではそれがそのまま残り、さらに煮出し式では桁違いの量になってしまいます。