ナワリヌイ氏の後継者を見つけるのは非常に難しい。2-3年おきにロシアの情報機関によって活動家やジャーナリストらが殺されているのだから。それをまずは踏まえてほしい。

たしかに、野党は一つにまとまっておらず、互いに論争ばかりしている。亡命した人と国内にいる人の間でも意見が異なる。亡命した側は国内にいる人がなぜ立ち上がらないのかと不満に思う。

ロシア国民に語り掛ける

ソルダトフ氏:しかし、ひとつ言いたい。重要なことだ。

言論統制が厳しくなった時、多くの人が亡命したが、国外に出たジャーナリストたちは、自分たちでメディアを立ち上げた。非常に驚くべきことに、また素晴らしいことには、長い年月が経っても、いまだに私たちはこうした独立メディアを通して国内にいる人に語り掛けることができる。総合すれば、2千万人もの国民に語り掛けることができる。これはかなり大きな人数だ。

ロシア国内で同じことができればいいのだろうけれど、そうすれば逮捕されて刑務所に送られてしまうので、危険すぎてできない。もしナワリヌイ氏に賛同したり、その運動に参加すれば、10年投獄される恐れがあった。

野党勢力を一堂に集めて…というのは現実的ではない。しかし、常に国民に語り掛けることで、例えばウクライナの様子を伝えること、そういうことで影響力を持つことができる。継続してやっていくことが重要だ。

ナワリヌイ氏を見てもそうだが、ロシアでは政治活動をジャーナリズムを通じてやっている。政党を作るのではなく、メディアを作る。

ロシアの歴史を振り返れば、レーニン(革命家、ボルシェビキをひきいてソ連邦を建設した。学生時代から革命運動に従い、流刑、亡命を経験)は亡命していたが、新聞や雑誌を通じて大きな影響力を及ぼした。

リヒテロヴァ氏(筆者撮影)

会場からの質問:ロシアの今後について希望はあるのか。何ができるか。

スウィニー氏:あまりにも見通しは暗い。トランプが米大統領府にいる限り、暗い。