しかし2024年2月の段階で、すでに賛同国は減ることが自明とされた。そこで昨年は、「非難」決議案の提出そのものが見送られた。しかし今年は、安保理で「紛争の早期終結」を要請する決議が採択される見込みだった。ウクライナと欧州支援諸国としては、なんとしても総会で「侵略」を「非難」する決議を採択したかったはずである。結果は、賛成国を48カ国減らし、国連加盟国数の半分に届かない数での採択であった。採択にこぎつけて面目は保ったが、国際世論が大きく「紛争の早期終結」に向かって動いていることを印象付ける薄氷の採択となった。
欧州は、どこで失敗したのか。
国際世論の面でいえば、ダブル・スタンダードだろう。ウクライナのことになると他国に戦争や制裁に協力せよと説教するが、他の地域では決してそのようなことはしない。決定的だったのは、ガザ危機だ。占領地に苛烈な軍事行動をとって多数の一般市民の犠牲者を出しているイスラエルを、欧州諸国は支持し続けた。これでは、全く説得力がない。
このダブル・スタンダードの問題については、私自身は過去にすでに何度も書いてきている。
ウクライナで発生した戦争犯罪は許さないが、ガザで続いている戦争犯罪には沈黙を貫く…欧米諸国の態度が「偽善的な二重基準」だといえるワケ 篠田英朗 現代ビジネス
そこでここでは、むしろ現実の力の面で、欧州が疲弊してきていることについて、もう少し考えを進めてみたい。