お世話になってきた教養動画サービス「テンミニッツTV」にて、3/2から新しい講義の配信が始まりました! 今回の番組タイトルは、反知性主義の時代に「いま夏目漱石の前期三部作を読む」。
約10分ごとに区切った講義が毎週日曜に追加され、全9回。従来の2つの番組とあわせて、ご贔屓にしていただければ幸いです。
なぜいま、夏目漱石なのか。『三四郎』・『それから』・『門』の三部作(1908〜10年に新聞連載)は、知性で考える人ほどメンタルを病んでいく過程を、明治末の日本を舞台に描いています。
そもそも漱石は大政奉還と同じ年(1867年)に生まれ、日露戦争の少し前にイギリスに留学し、東京帝大と一高で英語の教師に。いわば明治の歩みとともに育った、「ミスター文明開化」と呼ぶべき存在でした、本来は。
ところが本人は始終、心身の損耗が激しく、1907年には大学を去って朝日新聞に入り、「もう小説だけで食べていく」と宣言してしまう。戦前に帝国大学の権威は圧倒的で、逆に新聞社や作家業は海千山千の業界と見られがちでしたから、令和で喩えれば「ノーベル賞貰ってますが、インプレ稼ぎを仕事にします」みたいな感じでしょうか。