しかし、この判決にもかかわらず、EPAは2024年に発電所や自動車での化石燃料の使用を制限する2つの規制を発表した。メントン氏は、現在の最高裁が合理的に構成されたEFの撤回を支持する可能性が高いと考えている。
EF撤回に必要な3つの主張
メントン氏は、EF撤回のためには以下の3つの主要な論点を提示すべきだと述べている。
(1)科学的根拠の変化
2009年のEFを支えた科学的証拠は、過去15年間の研究結果により大きく覆されつつある。 過去15年間に発表された数百の科学論文では、EFが予測した温暖化の危険性が実際には発生していないことが示されている。 EF撤回の反対派に「EPAの規制対象であるGHGが本当に危険な温暖化を引き起こすのか」を証明させる。
(2)EPAの規制では世界のCO2排出増加を抑制できない
2009年以降、中国、インドなどの発展途上国でGHG排出量が急増している。 EPAの規制が米国内のCO2排出を減らしたとしても、地球全体の排出量にはほとんど影響がない。 つまり、EPAの規制が「気候変動を防ぐ」という目的を達成できない以上、その正当性は疑問視されるべきである。
(3)化石燃料規制による公衆衛生と福祉への悪影響
化石燃料の規制は、エネルギーコストの上昇、電力不足、雇用喪失などの深刻な問題を引き起こす。 これは100年後の気温上昇よりも、今すぐに現実化する危機として深刻である。 「仮説的な1~2度の気温上昇よりも、化石燃料の急速な削減がもたらすエネルギー危機の方が、現実的な公衆衛生と福祉に対する脅威となる」という論理を強調するべきである。
つまり、EF撤回を成功させるためには以下の戦略が必要であると述べている。
EPAによる新たな科学的・経済的評価の実施 「主要な問題の原則」を活用し、議会の権限を強調 科学的論争の主導権を握る 公衆衛生と経済への影響を前面に押し出す 最高裁での法的闘争を想定