仮に、トランプ政権はこの提案を実現しようと本気で考えているとしよう。
現在、トランプが4月2日から「相互関税」と称する関税引き上げを実行する、そのうち、自動車には輸出国を問わず25%の関税をかけるという噂がある。そうなれば、日本は大きな影響を被る。
一方で、「相互関税」は限定的なものになるという見方が生まれて、今週の米国株式市場は好転したとも聞く。日本ではそう聞いて、「日本は対象から除外されるのでは?」という、そこはかとした期待も生まれているようだ。
しかし、トランプ政権が本気でマールアラーゴ合意を実現しようと考えているならば、日本の前途は楽観できない。それは日本が外貨準備で米国債を保有する最大口の国だからだ。
日本政府はきっと自動車関税の標的にされた場合に備えて、「日本企業の対米直接投資リスト」を作って、適用除外を求める交渉の準備をしているのだろう。
しかし、トランプ政権が本気でマールアラーゴ合意を実現しようと考えているならば、安倍政権とトランプ1期目政権時代に有効だった手は効き目がないことになる。「いやいや、今回はそういう話じゃないんだ」とか言われて。
そして、この問題は「トランプを外してベッセント財務長官との間で決着させる」という作戦も無効だと思う。財務長官マターでは済まない上に、ベッセント長官もブレトンウッズ体制とか戦後の貿易・国際経済秩序の抜本的見直しに意欲を示しており、ミラン・ペーパーに反対する立場ではないというのがメディア報道の多数の見方だからだ。
関税引き上げにせよ、マールアラーゴ合意にせよ、トランプ政権の政策を阻止できる国は何処にもない。唯一の望みは市場だ。4月2日の関税引き上げがベールを脱いだとき株式市場が暴落する、とか、そこは何とか持ちこたえたが、続くマールアラーゴ合意がベールを脱いだところで、金融市場全体が大混乱に見舞われるとか……
日本がトランプ自動車関税を回避できるのは、金融危機が到来する場合だけ、なんて勘弁してくださいよホントに。