このペーパーは、

ドルは世界中で準備通貨として選好される結果、過大評価されて(ドル高になって)、米国製造業の衰退を招いてきた、このため、 ドルの超過需要を減らしてドル安を図って製造業を復活させるとともに、 米国による安全保障の傘の提供を国際金融システムと明確に結びつけて、金利負担引き下げと安全保障コストの資金調達を図る

ことを狙いとして、次のような提案をしている(筆者の要約)。

(米国の安全保障の傘によって守られる)「セキュリティ・ゾーン」は公共財であり、中に入りたい国々は、米国債を購入することによって資金を提供すべきである セキュリティ・ゾーンは資本財(capital goods)なので、中に入る国々は短期債券(short-term bill)ではなく、世紀債(century bond)のような長期債によって資金提供すべきである。この長期債を”STRIPS債”(割引債)とすることで、米国の国債償還負担を大幅に軽くできる 手持ちの短期債をこの長期債と交換することに同意しない国は、セキュリティ・ゾーンの外に締め出され、安全保障を受けられないとともに、高関税の対象になる(各国をセキュリティ・ゾーンに入る、入らないで分類する考え方は、後に「同盟国(グリーン)、敵対国(レッド)、中間国(イエロー)」アプローチと命名された) 長期債との交換に応じるよう各国を「説得」するために、まず関税を引き上げ(20%以上)、その引き下げや免除を見合いにして債券交換を交渉する(ただし、性急にやると「市場のボラティリティを高める(市場にショックを与える)」ので、時間をかけて慎重に交渉する) 債券交換のほか、米国債を保有する非居住者の利息受け取りに手数料を課して、米国債購入のインセンティブを縮小させる方法も考えられる(IMF条約違反や租税条約がもたらす面倒を避けるために、「税金」ではなく「手数料」だという建前を採る)。

マールアラーゴ合意 ≠ プラザ合意Ⅱ