もし効率が上がれば、“燃料を使わない電源”や自律的なセンサー電源など、多彩な応用が考えられます。

一方で、地球の自転エネルギーを実際に大きく利用できるようになると、理論上はわずかに地球の回転をブレーキしてしまうという議論もあります。

そして人類がこの方法を十分に大々的に使ってしまうと、理論上、地球の自転は減速していくことになり、1日の時間を変えてしまう最大の環境破壊となる可能性があります。

ただ、実験レベルで取り出される電力は極めて小さいので、地球の日常的な回転変動や潮汐の影響よりずっと微弱だと考えられます。

研究者たちは、次のステップは独立した研究チームが結果を再現することだと語ります。

それが確認されれば、この装置は発電用に最適化できるとチバ氏は述べています。

小型の円筒形部品を多数直列に接続すれば、十分な量の電圧を生み出せる可能性があるからです。

全ての画像を見る

元論文

Experimental demonstration of electric power generation from Earth’s rotation through its own magnetic field
https://doi.org/10.1103/PhysRevResearch.7.013285?_gl=1*a3bcxo*_ga*NDc0MDg5NTkwLjE3MjAzOTI3NTM.*_ga_ZS5V2B2DR1*MTc0Mjk3ODA2OS4xMTYuMS4xNzQyOTc4MDk3LjAuMC4xNDY5ODQzMzg1

ライター

川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。