ー昨年末のトライアウトから多くのオファーがあったと思いますが、その中で東京ユナイテッドを選んだ決め手を教えてください。

高木:ありがたいことにJ3のチームからもオファーをいただいたんですけど、僕のサッカーキャリアの中でこの先の生活を考えた時に、いちサッカー選手として「あと何年ベストな状態でプレーできるのかな」と思いました。選択肢として社会人リーグを考え始めたときに、今のユナイテッドのチームメートの香西克哉(東京V下部組織時代に共にプレー)から連絡をもらって「福田(雅)監督と話だけでもしてみたら?」と言われました。

実際に福田さんと次のキャリアで思い描いているサッカー以外の部分を話したところ、すごく理解を示してくれました。自分としては社会人としてやってみたい仕事をしつつ、サッカーでもしっかり上を目指せるチームでプレーしたいなと思いユナイテッドに決めました。

ー実際に加入されて1か月が経ちますが、プロ時代と比べてどのような違いがありますか?

高木:みんな仕事しながらプレーしているので、朝6時半からの練習があったり、仕事が終わってから夜に練習があったりと時間帯の違いは大きいですかね。あと、プロ時代は当たり前のようにサッカーをしている感覚で16年やらせていただきましたが、(練習や試合も)小石川運動場だったり、スポンサーの方々に力をお借りして用意していただいている部分や、遠征にも自分たちでお金を出したり交通費を払ったり、サッカーをするのにお金を使う。そういうところは改めて考えさせられましたね。


インタビュー中の高木俊幸 写真:Yusuke Sueyoshi

新たな環境での挑戦

ー今年からサッカーと仕事を両立しながらの生活になると思いますが、差し支えなければ具体的にどのような仕事に就くのか教えていただけますか?

高木:JR水道橋駅から徒歩約5分のところに新しくできる『元町ウェルネスパーク』(東京都文京区)という施設で東京ユナイテッドがスポーツ事業を展開することになりました。その中で自分は女子サッカーのスクールと知的障害を持つ子どもたちのサッカースクール、デフサッカー(※)のスクールにコーチとして従事します。その中でも特にデフサッカーにすごく興味や関心を抱いているので力を入れていきたいと思っています。自分たちのスクールからデフサッカー日本代表を輩出できるような環境を作っていきたいです。