日本との繋がりでいえば、2018/19シーズンに元日本代表MF乾貴士(現清水エスパルス)が所属したクラブだ。しかし乾はリーグ戦、カップ戦合計10試合無得点に終わり、わずか半年でデポルティーボ・アラベスに期限付き移籍した。

ホームスタジアムのエスタディオ・ベニート・ビジャマリンの収容人数は約6万人で、平均入場者数は約5万1,000人。平均収容率が約85%にも上る人気クラブだが、その数字にあぐらをかくことなく競技の枠を超えてビジネスモデルを学ぼうとする姿勢には頭が下がる。

スペイン南部アンダルシア州の州都セビージャ市は歴史的にも日本と深い繋がりがある。今から遡ること約400年前の1611年、伊達政宗の命を受けた家臣・支倉常長をはじめとする慶長遣欧使節団がスペインに渡り貿易を試みた。しかし一行がスペインに上陸した頃、日本では徳川家が江戸幕府を開き、キリスト教は禁じられ、交易においても鎖国政策が取られた。その報を受けたスペイン王室は彼らを正式な使者とは認めず、貿易の許可は得られなかった。

その7年後に帰国した支倉常長はキリスト教の洗礼を受けていたためキリシタンとして弾圧され失意のうちに命を落とした一方で、使節団の一部はスペインに残ることを選択し、彼らの子孫が「ハポン(スペイン語で「日本」)」姓を名乗った。セビージャ近郊のコリア・デル・リオ市周辺には今でもハポン姓が700人ほどいると言われている。

読売ジャイアンツ 写真:Getty Images

施設運営をはじめとする多角的な視点での学び

そんなベティスが訪れた「TOKYO GIANTS TOWN」は、二軍用新球場を含んだスポーツエンターテインメント複合施設として、株式会社よみうりランドによって建設された。ベティスにも新たな練習施設「シウダ・デポルティーバ・ラファエル・ゴルディージョ」の建設計画があることで参考にしたと思われる。