
スペインのラ・リーガ第28節終了時点で6位と健闘を見せるレアル・ベティス。2年連続となる欧州カップ戦出場も狙える順位に位置し、UEFAカンファレンスリーグ(UECL)では1997/98UEFAカップウィナーズカップ以来となるUEFA主催大会での8強入りを果たしている。
そんなベティスの国際部門の使節団が、3月11日から14日まで来日。11日に東京ヴェルディの練習施設を訪れ、翌12日にはプロ野球、読売ジャイアンツ(巨人)の二軍専用球場・ジャイアンツタウンスタジアムを中心に、水族館やレストランを併設するアミューズメント施設「TOKYO GIANTS TOWN(東京ジャイアンツタウン)」を訪問した。この模様はベティスの公式サイトのみならず、東京Vおよび読売巨人軍の公式サイトでも詳報されている。
ベティスと東京Vは2024年7月にパートナーシップ提携を結んでおり、この訪問はベティスの国際化プロジェクト「ベティス・ウィーク」の一環として行われたもので、ここまでは海外クラブと提携を結んでいるJクラブではよくある話だ。特筆すべきは、全くの異業種であるプロ野球の施設を訪れ何を得ようとしたのかという点だ。
ここでは、サッカーと野球という競技の壁を超えた視察によって、何がもたらされるかを検証したい。

ベティスと日本のつながり
1907年にセビージャの内部分裂がきっかけで誕生したベティス。労働者階級の支持を受けているとされており「ベティコ」と呼ばれるサポーターは熱狂的で「Viva Betis manquepierda(頑張れベティス、たとえ敗れようとも)」を合言葉に無償の愛を注ぎ続けている。一時は3部にまで降格した暗黒期も経験したが、1934/35シーズンには1部優勝も経験。ラ・リーガ1部から3部までのカテゴリー全てで優勝経験のある唯一のクラブでもある。