② 農家報告の追加 地域ごとに代表的な農家を抽出し、異常気象、生育状況、直播栽培の普及など技術変化に関する情報を収集。分散の変動要因を補完し、実測データと連携させることで、坪刈り調査への依存から脱却。①の層別分析と統合することで、予測の現実性と正確性を高める。

③ 速報性と透明性の向上 現行の年3回(夏期・収穫前・収穫時)の公表では不十分。生育初期から予測を開始し、予測誤差を逐次修正・更新。データを積極的に公開し、外部検証を促進する。アメリカの生育進捗報告や統計公開手法を参考に、精度向上と信頼回復を図る。

④ 飼料用米混入の防止 飼料用米は調査対象外であり、多収品種が多いため混入すると収量平均が過大となり、不作が隠されやすい。調査前に圃場の用途を厳格に定義し、農地台帳と衛星データを連携させて飼料用米圃場を事前に除外。調査対象を明確化し、統計の信頼性を確保する。

⑤ ふるい目幅と品質基準の見直し 平年収穫量の基準ふるい目(1.70mm)を、実態に即した1.8~2.0mmに変更。加えて、一等米比率や歩留まりの低下も予測に反映し、目的である「食用米」の供給量を正確に把握する。農家や事業者の実感と統計の乖離を縮め、過大・過小評価を防止。

⑥ 品質を加味した総合予測モデルの導入 単なる収穫量(kg/ha)だけでなく、一等米比率と歩留まり率を掛け合わせた「食用米供給量 = 収穫量 × 一等米比率 × 歩留まり率」を予測対象に設定。品質を説明変数としてモデルに組み込み、過大評価のバイアスを補正し、供給予測の精度を向上させる。

⑦ 将来トレンドの予測と公表 アメリカの線形トレンドモデルのように、過去の収量データや技術進歩をもとに将来の収量トレンドを長期的に予測し、毎年公表。異常気象や需要構造の変化にも対応し、国民がコメ生産の将来像を把握できるようにする。持続可能で透明性のある農業政策の基盤となる。

信頼を取り戻すには農家主導しかない