調査では、アメリカを代表する大規模社会調査「General Social Survey(GSS)」のデータを使用。

ここでは多様な質問がランダムに割り当てられ、さらにサンプリングにも工夫が施されており、アメリカ全体の人口構成をなるべく正確に反映するよう設計されています。

研究者たちは、このGSSの膨大な回答の中から「占星術を科学的だと思うか?」という質問に注目し、計8,553人分を抽出。

そして、それらの人々について、以下のポイントを詳しく調べました。

知能レベル(Wordsumテスト

簡単な語彙テストで、一般的なIQテストとも強く関連する指標です。

難解な問題ではなく、「単語と最も近い意味を持つ選択肢を選ぶ」というシンプルな形式なので、多くの人が回答できるユニークな方法といえます。

教育年数

人が何年学校教育を受けたかを数値化したもの。いわゆる学歴のめやすになります。

その他の要素

宗教性やスピリチュアリティ、政治的立場、科学への信頼度、そして年齢や性別、人種といった基本的なプロフィール。

占星術を信じやすいかどうかに関わっていると思われる要因を、一挙に調べました。

このように多角的なデータを組み合わせ、統計的に関連を分析したところ、知能や教育年数が低いほど「占星術は科学的だ」と信じている人が多いという傾向が、非常に明確に浮かび上がりました。

一方で、これまで「宗教的・霊的な信念」「保守・リベラルなどの政治的立場」「科学への信頼度」が関わっているのではないかと議論されてきましたが、今回の解析ではそれらはほとんど影響を与えていないか、あるいは有意な関連が見られなかったのです。

なぜこれが革新的なのか?

従来の研究はサンプル数が小さかったり、一部の要素だけを見ているものが多かったため、「本当にどの要因が占星術信仰に深く関わっているのか」ははっきりしませんでした。

ところが今回の研究では、膨大な人数(8,553人)を対象に、知能・学歴・政治観・宗教心などを一度に比較。