■発見者は「たまげたなあ」と驚き
一見すると何の変哲もない、受験生を鼓舞する力強いメッセージに感じられる。しかし、この「いいよ! 来いよ!」は、ネット上でカルト的な人気を博すネットミーム「淫夢語録」にて、「野獣先輩」と呼ばれる人物の発言として認知されているフレーズなのだ。
前出の通り、現代では様々な企業がネットミームに注目し、思いがけないSNS投稿やCM動画を発信している。
つい先日も、陸上自衛隊が「ネットミームよくばりセット」とも呼ぶべきパネルを作成し、ネット上で大きな話題に。記者による取材の結果、連隊内で「チャリで来た。」などの人気ミームの指導を行ったことが明らかになった。
このように、様々な「公式」も積極的に取り入れているネットミームだが、この「淫夢語録」だけは話が別。元ネタが成人向けの映像作品であることから、通常の企業・団体では当該ミームをネタにするのは「タブー」として認識されているのだ。
しかし前出の通り、同ミームはネット上で広く認知されており、「淫夢語録」を使用することで通常では考えられない話題性を獲得するのも可能。一方で、使用企業の良識が問われる劇薬のような存在であり、ネット上では同ミームを使用して知名度を向上させる行為は「淫夢営業」と揶揄されている。

そうした背景もあり、件のポストは投稿からわずか数日で3,000件以上ものリポストを記録するほど話題に。Xユーザーからは「日常が淫夢に侵されつつある」「東進、マジかよ…?」「やりますねぇ!」など、驚きの声が続出する事態となった。
Sirabee編集部の取材に際し、ポスト投稿主・レモンさんも発見時の心境について、「なんだこれは、たまげたなあ」と、振り返っている。
そこで今回は「淫夢営業」の真偽をめぐり、東進衛星予備校を運営する「株式会社ナガセ」に詳しい話を聞いてみることに。すると、現代に生きる我々を脅かす、社会問題の実態が浮かび上がってきたのだ…。