「中山待望論」とは裏腹に直前の海外遠征のメンバーから外れ、所属のジュビロ磐田でも不調だったことで、選出は絶望視されていた中での抜擢は日本国民を驚かせた。出場したのは日本がW杯初勝利を挙げたグループリーグ第2戦のロシア代表戦(横浜国際総合競技場/1-0)、後半27分、FW鈴木隆行に代えて投入されたわずか18分間だけだったが、前線からの守備で警告を貰いながらも、虎の子の1点を守り切ることに成功した。

2010南アフリカW杯:GK川口能活(当時34歳、ジュビロ磐田所属、出場時間0分)

2010年の南アフリカW杯では、岡田武史監督がグループリーグ初戦のカメルーン代表戦(フリーステイト・スタジアム/1-0)を前にGK楢崎正剛、MF中村俊輔、FW岡崎慎司らの主力を先発から外し、本来MFの本田圭佑を1トップに据えるという大ナタを振るった。

しかし、このW杯で3大会連続の選出となり、アトランタ五輪ではブラジル代表を破る大金星を演出、さらには日本人GKとして初めて欧州移籍(ポーツマス、ノアシェラン)を果たした経験豊富なGK川口能活がキーマンとなり、中村らは腐ることなく自ら進んでサブ選手として裏方の役割を果たし、チーム崩壊を防いだ。

2018ロシアW杯:FW岡崎慎司(当時32歳、レスター・シティ所属、出場時間67分)

2018年のロシアW杯では、直前にヴァイッド・ハリルホジッチ監督が解任され、西野朗監督が就任するというドタバタ劇があった。テストマッチも同年5月30日の行われたガーナ代表戦(日産スタジアム/0-2)の1試合しかないまま本大会に臨むこととなったが、既にエースストライカーの座に君臨していたFW大迫勇也(当時ケルン)の控えに甘んじていたものの、2015シーズンにプレミアリーグのレスター・シティに移籍し、いきなりチームの初優勝に貢献したFW岡崎慎司の存在が大きかった。