そして今回の研究を応用して、聴覚に関わる遺伝子をノックアウトするのではなく、逆に過剰に活性化させます。

つまり、耳を聞こえなくするのではなく、他のオスよりも耳が良く交尾に敏感なオスを作るのです。

これにより、一般的なオスよりも競争力の高い不妊のオスが作られます。

彼らは、他のオスよりもすぐにメスを見つけて交尾を繰り返しますが、妊娠させることができません。

一方、交尾したメスは妊娠できませんが、他のオスとは二度と交尾をせず、子孫を増やすことができなくなります。

もし、この方法が実現するなら、ネッタイシマカの個体数を減らし、感染症の犠牲者も減らせるかもしれません。

蚊の交尾と聴覚に着目した今回の研究は、将来、感染症を減少させるための新たな道を開くかもしれないのです。

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参考文献

Deaf mosquitoes lose their mojo, offering new population control option
https://newatlas.com/biology/deaf-mosquitoes-mating-population-control/

Deaf male mosquitoes don’t mate
https://news.ucsb.edu/2024/021664/deaf-male-mosquitoes-dont-mate

元論文

Deafness due to loss of a TRPV channel eliminates mating behavior in Aedes aegypti males
https://doi.org/10.1073/pnas.2404324121

ライター

大倉康弘: 得意なジャンルはテクノロジー系。機械構造・生物構造・社会構造など構造を把握するのが好き。科学的で不思議なおもちゃにも目がない。趣味は読書で、読み始めたら朝になってるタイプ。

編集者

ナゾロジー 編集部