人身供犠の可能性は低い
こうした発見により、「低い身分の者が主人と共に埋葬されたのは、人身供犠の一環ではないか?」という疑問も浮かぶ。しかし、研究者たちは「エジプトがこの地を支配していた時代には、人身供犠の証拠はほとんど見つかっていない」として、この説を否定している。
今回の研究は、エジプト学の常識に一石を投じるものだ。これまで「ピラミッドの墓は特権階級のためのもの」とされてきたが、実際にはそこに仕えた者たちも共に埋葬されていた可能性が高い。ピラミッドの建設に関わった人々が、ただの労働者ではなく、社会的にも重要な役割を果たしていたのかもしれない。

(画像=トンボスでは少なくとも5つのレンガのピラミッドの廃墟が発見されており、その中には大きな壺や花瓶などの陶器とともに人骨が含まれているものもある 画像は「Daily Mail Online」より,『TOCANA』より 引用)