ピラミッドは「特権階級だけの墓」ではなかった?

 これまで、ピラミッドは王族や貴族のためだけに建設されたと考えられてきた。しかし、研究チームは「ピラミッドの墓は、地位の高い人々だけでなく、彼らに仕えた使用人や労働者たちのものでもあった可能性がある」と指摘する。

 特に興味深いのは、遺骨の中に「ほとんど運動をしていなかった」とみられる個体と、「非常に活発に動いていた」個体が混在している点だ。前者は王族や貴族、後者は彼らに仕えていた労働者だった可能性がある。なぜ彼らが同じ墓に葬られたのか、その理由は明確ではないが、「死後の世界でも主人に仕えるように」という信仰が影響していたのかもしれない。